ネコ

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ねこ から転送)

?ネコ
イエネコ
イエネコ
分類
動物界 Animalia
脊索動物門 Chordata
亜門 脊椎動物亜門 Vertebrata
哺乳綱 Mammalia
亜綱 獣亜綱 Theria
下綱 真獣下綱 Eutheria
(階級なし)
北方真獣類 Boreoeutheria
上目 ローラシア獣上目 Laurasiatheria
(階級なし)
ペガサス野獣類 Pegasoferae
(階級なし)
友獣類 Zooamata
(階級なし)
野獣類 Ferae
(階級なし)
食肉形類 Carnivoramorpha
ネコ目(食肉目) Carnivora
亜目 ネコ亜目 Feliformia
ネコ科 Felidae
ネコ属 Felis
ヤマネコ種 F. silvestris
亜種 イエネコ亜種 F. s. catus
または F. s. domesticus
学名
Felis silvestris catus
(Linnaeus, 1758)
シノニム
Felis silvestris domesticus
Felis catus domestica
和名
イエネコ
英名
Cat, Domestic cat
一群として現生肉食獣の生態的上位にあるネコ科にあって、中型・小型のニッチ(生態的地位)を担うヤマネコの類い、さらにその中の1亜種であるリビアヤマネコの、家畜化されたかたちがイエネコである。
この画像からは、ペットとしての美麗さと肉食獣としての洗練といった、異質ではあるが磨き抜かれたという点で相通じる、イエネコが持つ2つの面を同時に見ることができる。

ネコ学名Felis silvestris catus)は、世界中できわめて広く飼われているネコ目(食肉目)の小型動物である。元来、ネズミを捕獲させる目的で人に飼われ始めた(狭義の)ヤマネコFelis silvestris)の家畜化されたものといわれ、分類学上はヤマネコの1亜種とされる。人によくなつくため、多くが愛玩用のペットとして飼育されている。本項ではこれについて解説する。

また「ネコ」は、ネコ類(ネコ科動物)の一部、あるいはその全ての獣を指す包括的名称でもある。しばしば、家畜種の「イエネコ」に加えて広義のヤマネコ類を含み、特に学術用語としては、英語の「cat」と同様、トラライオンなどといった大型種を含む全てのネコ科動物を指すことがある。

目次

[編集] 起源

イエネコの原種とされるリビアヤマネコ
家畜化が始まったころのイエネコについては、当時の特徴を変わらず維持し続けているリビアヤマネコを見ることで確かめられる。
南アフリカ共和国ハウテン州ヨハネスブルグ動物園

イエネコは、形態学的分析を主とする伝統的な生物学的知見によって、以前からリビアヤマネコFelis silvestris lybicaが原種であろうとされてきた。 これに加えて、前世紀の末ごろから目覚しく発展し始めた分子系統学等がもたらす新たな知見も、2007年に発表されたミトコンドリアDNA遺伝子解析[1]などに基づき、従来説を裏付けるかたちとなった。

愛玩用家畜として同じく一般的なイヌCanis lupus familiaris)に比して、ネコは人間に飼われ始めた時期が遅いが、この時間的差異の理由については人類史の経緯を見ることで謎解きが叶う。イヌは狩猟採集民に必要とされ家畜化された動物であるから、人類史のかなり早い時期から人の傍らにいて不思議でない存在と言える。狩りの伴侶であり、外敵に対する備えであり、幼子の保護者にも彼らはなり得た。しかしネコは、鼠害[2]が深刻にならない限り、つまり、農耕が始まらない限りは何の有用性も無い、むしろ狩猟者にとっては競合者でしかない存在であったはずである。熱帯・亜熱帯の一地域に特有の小さな競合的捕食動物が人のパートナーとなるには、穀物という「一定期間の保管を必須とする、食害を受けやすい財産」を人類が手にする時代の到来が不可欠であった。それ無しには、財産の番人[3]たるネコの登場はあり得ないのであるから。

後世に比べれば細々とではあるが農業が行われるようになり、集落が人の暮らしの中心となっていた先史時代の一時期、中近東もしくはその周辺のとある地域でのこと。近隣の山野でネズミノウサギを追っていたネコは、ネズミが数多く集まる穀物倉庫(規模を考慮して「穀物置き場」と言うべきか)に足を踏み入れることが珍しくなかったはずである。なかには棲みつくものもいたに違いない。それが、始まりとされている(上述した理由から言えば、リビアヤマネコの生息地に農耕文化圏が重なったとき、ネコと人の出会いが成立する。それは時期の特定不可能。地域としては中近東とその周辺地域のどこか。事象としては複数箇所で起こっていたと見るのが自然であろう。「#猫と人間の歴史」の節も併せて参照のこと)。 肉食性ゆえに人が大切に保管している穀物には手を出さず、それを食害しようとする(人にとっての)害獣が彼らの主食であったことが、人とネコ双方の利益を完全に一致させた。大切な穀物を守るネコは益獣である。それに気付いた人間はネコを追い払うことをしなくなり、やがてはむしろ大切にするようになる。それは餌付けに繋がり、家畜化に繋がっていったのである。

ただし、この新しい家畜が後世に伝えられていくには文化的連続性がなければ巧くいかない。多部族・多民族が入り乱れ盛衰するなかでの引き継ぎの困難さから言って、当然、初めて人に飼われたネコは我々の身近にいるイエネコの直接的(血統的)祖先ではない。 この野生動物が飼育されていた最古の実例は、キプロス島にある約9500年前の遺跡から見出されている。 また、我々が今日目にしているイエネコの直接的・系統的起源についてもその具体的経緯は詳らかにされていないが、紀元前3000年ごろ古代エジプトで固定化されたものであろうことを言われている。

[編集] 身体的特徴

[編集] 概要

ネコ(オス)の体の構造
赤=主に呼吸器系 緑=主に消化器系 金色=神経系とその他

体の大きさは現生するネコ科の他のほとんどの動物に比べて小さく、体重は2.5 - 7.5kgの範囲に収まるものが多いものの、大型のものでは、体長(頭胴長)75cm(比較資料:「長さの比較」)、尾長40cm、肩高35cmに達する。

樹上生の傾向が強く、また、待ち伏せ型[4]捕食者の典型であるネコは、それらのためのさまざまな能力に長けており、身体的特徴として見ることができる。非常に優れた平衡感覚に、柔軟性と瞬発力のきわめて高い体の構造、鋭い鉤爪(かぎ-づめ)やなどがそれであり、足音が非常に小さく、体臭が少ないことも挙げられる。 また、爪を自由に出し入れできることはその鋭さを常に保持できることを意味し、ほとんどのネコ科動物に共通する特徴であり、追跡型[5]捕食者であるイヌ科動物にそれができないのとは対照的である。

吻部[6]が突出していない丸い頭部を持ち、正対視するのに有利な前面に眼窩(がん-か)が開いている。このことはネコとヒトに共通の身体的特徴であり、眼による感情表現が豊かであることもそこから生み出される共通の特徴である。そして、この共通性ゆえにヒトはネコに対して本能的な親近感を抱くのではないかと考える向きもある[7]

他のネコ科動物にも見られる「ゴロゴロ(purr)」と(のど)を振動させて鳴らす音が、どのようなメカニズムによるものなのかは複数の説があり、いまだにはっきりとは分かっていない。「ゴロゴロ」という音は、親子間のコミュニケーションにも用いられるが、骨折などのの損傷が治癒するのを早める効果があるという説もある。ヒトの場合も、超音波を用いた骨折の治療法が研究されており、それと同じものであると考えられている。後述の「#喉鳴らし」も参照。

[編集] 体の柔軟性

ネコの体は非常に柔軟であり、頭の周り以外は体のほぼすべての場所を自分で舐めることができる。関節が緩やかで、筋肉靭帯も柔らかいためである。特に肩の関節は可動性が高く、鎖骨は小さく退化しており、代わりに筋肉でつながっている。高い所から着地した場合の衝撃を吸収することに役立っている。

[編集] 瞬発力

瞬発力が高く、跳躍力にも長けている。跳躍力は、おおむね体高の5倍程度(約1.5m程度)の所に飛び上がることができる。持久力には欠けており、長時間追いかけるような狩りは行わない。走るスピードはおおよそ時速50km程度と言われ、瞬間的に最高速に達する代わりに長くは続かない。

[編集] 運動能力

待ち伏せ型の肉食獣である猫は俊敏な運動能力をもっている。 やって来た獲物をひと息に捕らえる瞬発力を持つ為、 一般的な人間の運動能力では逃げ回る猫を捕まえることは不可能である。

にもかかわらず猫が自動車に轢かれることは多いが、それは運動能力の問題ではなく、想像を超える大きさの物体(自動車)に突然遭遇してしまったとき、判断力を失ってその場で体の動きを止めてしまうからであるとされる (異説あり、#眼を参照のこと)。

また、猫を逆さにして高い所から落としても、着地まである程度の距離さえあれば、上手に体をひねり、足から降り立つことができる。 平衡感覚をつかさどる三半規管の能力とは別に、猫には小脳の視覚による優れた水平線検出能力が備わっており、これによって、どんなに振り回されて三半規管が失調した状態でも、空中で正しく上下を判断することができる。 むろん動物愛護の観点からも、むやみに猫を投げ上げるなどして能力を試すようなことはすべきでない。

[編集] 被毛

被毛は品種により、さまざまな毛色や毛質のパターンを持つ。同品種でも多様な色彩や模様を持つ珍しい動物である。毛色や毛質の決定には遺伝子の働きに因るところが大きいことが分かっているが、遺伝子がどのように活性化、不活性化するかなど、不明な点も多い。毛色は子宮内の状態にも影響を受けるとも言われる。例えば、世界初のクローンネコ「CC」の毛色は、遺伝子が全く同じにもかかわらず、クローン親のものと異なっていることが知られている。

毛色を司る遺伝子は、すでにいくつか解明されており、色を薄めるダイリュート遺伝子や、被毛に縞模様を描くタビー遺伝子などの存在が知られている。品種によっては、突然変異体の遺伝子や、伴性遺伝子の存在もあることから、生まれてくる子猫の毛色・毛質等をおおよそ判定することは可能であるが、不明な部分も多い。

以下に、現在解明されている主要な遺伝子を例示する。

優性
遺伝子
役割 対立(劣性)
遺伝子
役割
A アグーティ a ノン・アグーティ(単色)
B b 茶色(チョコレート)
bl 薄茶(シナモン)
C 単色(濃淡なし) cb セピア(バーミーズ)
cs ポインテッド(シャム模様)
D 濃暗色 d 淡明色(ダイリュート)
I 抑圧(銀化) i 基底に及ぶ色素沈着
L 短毛 l 長毛
O オレンジ(または伴性遺伝の赤) o 黒味を帯びた非赤色
S 白の斑 s ソリッドカラー(体全体)
T 縞(マッカレルタビー) ta アビシニアン(ティックドタビー)
tb ブロッチド(クラシックタビー)
W 体全体が白 w 白以外

これらの遺伝子の組み合わせによって、複雑な模様を形作る。これら以外にも毛色を決定する遺伝子もあり、解明されていない遺伝子も多数存在する。

O遺伝子及び対立遺伝子o遺伝子はX染色体上にあることが分かっており、このため両方の遺伝子を持つネコは通常メスであり、オスでは染色体異常(X染色体過剰、ヒトでいうクラインフェルター症候群相当)またはモザイク染色体のネコだけである。両方の遺伝子を持つネコはトーティシェル(いわゆるサビネコ)あるいはトーティ・アンド・ホワイト(いわゆる三毛猫)と呼ばれるが、これらのネコにオスネコが珍しいのは、染色体異常のネコが珍しいためである。

ノン・アグーティ遺伝子はタビー遺伝子よりも上位であるため、ノン・アグーティを2つ(aa)持つネコ(黒猫など)には通常、縞模様は見られない。タビー遺伝子を持つネコには、子猫のときなどにうっすらと縞模様が現れることがあり、ゴースト・マーキングと言われる。

cs遺伝子(サイアミーズ)は独特の遺伝子で、本来は色素の出現を抑える役割を持つが、温度が低いとその働きが抑制される。そのため、これを持つネコは温度の低い体の末端部(鼻、耳、足先など)のみに色素が出現し、シャムネコのようなポイント模様が現れる。温度が低い環境でも色素が出現し、色が濃くなる。

ホワイトの遺伝子(W)はすべての色に対して優性であるため、これを持つネコは他の遺伝子にかかわらず、白ネコになる。

[編集]

ネコの眼。顔の大きさの割りに大きい。

顔の大きさの割りに、かなり大きなを持っている。他の動物における子供の眼の大きさの比率に近く、これがネコを「可愛い」と思わせる一因にもなっている。視覚については、特に対象の動きを捉えることを得意とする。動かないものやゆっくりとした動きのものを捉えるのはあまり得意でない。明視距離はおよそ2 - 6mといわれ、これより距離が短いものや、長いものはあまりよく見えないと言われる。20m以内のものであれば、じっと見ることによって距離感をかなり正確に測ることができる。

瞳孔は、人間と違い、縦に細長くなっている。瞬時に瞳孔の大きさを変えることに有利と見られている。野生状態で(くさむら)のような縦長の視界で視覚を働かせるのに有利ともされる。瞳孔は調整の範囲が広く、明るい所では細長く、暗い所では目一杯開いて光の入る量を多くする。暗い所での視力は良い。時計が一般的でなかった時代、猫の眼の瞳孔の広さは時間帯によって変わるため、忍者が概略の現在時刻を知るのに活用したともいわれている。時間が真昼に近づけば近づくほど瞳孔の広さは狭くなり、逆に真夜中に近づくほど広くなる。

他の多くの夜行性動物と同様、ネコの眼には輝板と呼ばれる層が網膜の下に具わっている。この層が光を反射するため、入射光と反射光の両方の光が網膜を通過することになり、わずかな光でも物を見ることができる。この反射光のため、暗所で観察者側から照明を当てたとき眼が光って見えることがある。この現象はシカなどの野生動物でも同様であり、ライトで照らして光って見えた眼の数で個体数を割り出す「ライトセンサス」にも利用されている。なお、「ネコの眼が光を増幅する原理は暗視鏡(ナイトビジョン)に活用されている」と言われることがあるが、実際の暗視装置ではマイクロチャンネルプレートで電気的に増幅している。については、光の三原色のうちを認識できるが、は認識できないと言われている。

ネコが自動車に轢かれる事故が夜間に多いのは、車のライトを見てしまってショックで動きが止まるせいとも言われている(異説→「#運動能力」)。夜でもよく見えるネコの眼は非常に敏感で、ライトなどの強烈な光に弱く、真っ暗闇で突然フラッシュ撮影をしたりすると失明の危険がある。

[編集] 眼の色

オッドアイ。この個体では、左眼が暗色、右眼が青になっている。

虹彩が大きな割合を占めており、人間でいう「白目」(球結膜)は通常見られない。ネコの眼の色、といった場合、虹彩の色を指す。眼の色は、色の濃淡などの違いがあるものの、おおむね以下の4種類に分けられる。

  • カッパー(銅)
  • ヘーゼル(薄茶)

青い眼は白猫シャム系のネコ(ポイントのあるネコ)に多く、白猫の場合は高い割合で聴覚障害を持っている。白猫の場合はオッドアイと言われる、左右の眼の色が違う場合も多い。この場合、青い眼の側の耳に聴覚障害を抱えると言われる。シャム系のネコの場合、立体視力に問題がある場合があるが、品種改良の結果、このようなネコは多くない。

これらの眼の色の違いは、虹彩におけるメラニン色素の量で決まり、色素が多い順にカッパー、ヘーゼル、緑、青となる。人間など他の哺乳類の眼でも同様である。色素の量の違いは、元々生息していた地域の日光量の違いに由来すると言われる(日光量が多い地域では色素が多くなる)が、交雑の結果、現在では地域による違いはほとんど無くなっている。シャムネコの青いの眼は北アジア由来と言われ、熱帯タイ原産のシャムネコであるが、先祖の眼の色に由来するらしい。

生まれて間もない子猫の場合、虹彩に色素が沈着していない場合が多く、青目に見えることが多い。これを「キトゥン・ブルー」(Kitten Blue、「子猫の青」の意)と言う。生後7週間くらいから虹彩に色素がつき始め、徐々に本来の眼の色になっていく。

ネコの鼻

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は、他の動物に比べてそれほど優れているわけでもないが、ヒトと比べれば数万から数十万倍と言われる嗅覚を持つ。体のバランスに比べて小さくできているが、鼻腔内部は凸凹に富み、大きな表面積を生み出しているため、小さな鼻の外観だけからは予想できない優れた嗅覚がある。 また、ネコの鼻は個体によって異なる紋様を持っている。これは「鼻紋」と呼ばれ、人でいうところの指紋と同じものであり、個体の識別の際に用いられる。

[編集] 鼻の使い方

イヌと違って嗅覚を狩りに利用することはほとんどない。イヌとネコの狩りの仕方の違いによる。ネコは、嗅覚を「これは食べられるものかどうか」ということと、縄張りの確認に主に使うと言われる。ネコは頬腺などから出る分泌物尿などによって自分の臭いを付け、そこを縄張りとする。そのほかにも、仲間同士のコミュニケーションのために臭い付けをし、飼い主やほかのネコに対して行われる。例えば、ネコが飼い主の足に顔をすり寄せるのは、頬腺などから出る分泌物を付け、「自分の物」というマーキングをしているわけである。

[編集] フレーメン反応

フェロモンを感じる器官が口内の上顎にあり、ヤコブソン器官(鋤鼻〈じょび〉器官)と言う。フェロモンを感じると口を半開きにし、目を半分閉じて笑っているような表情をする。これをフレーメン反応といい、フェロモンを分析している行動である。これにより、主に相手のネコがどういう状態にあるかを分析する。

マタタビの果実やイヌハッカの匂いを嗅ぐと、ネコは恍惚として身悶えるような反応を示す。これは匂いに含まれるマタタビラクトンネペタラクトンなどの物質にヤコブソン器官が反応し、ネコに陶酔感をもたらすためと言われている。

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ネコの五感で最も優れているのは聴覚である。可聴周波数は60Hz - 65kHzとされ(10MHzという説もある)、イヌの40Hz - 47kHz、ヒトの20Hz - 20kHz に比べて高音域に強い。これはネズミなどが発する高音に反応するためと言われている。尖ったアンテナのようなは片方ずつ別々に動かすことができ、異なる方向の音を聞き分けることができる。そのため、指向性が強く、音源の場所をかなり正確に特定することができる。音の聞き分けの能力も高く、例えば飼い主が帰ってきた足音を判別することは簡単にできる。これらの能力は、夜間に待ち伏せ型の狩りをするために発達したものと言われる。

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は薄く締まっており、表の面には多数の状突起があってザラザラしているが[8]、これは骨に付いた肉をしゃぶりとるのに適応したものである。この突起は毛繕いや水を飲む際に役立つ。熱い食べ物が苦手な人を「猫舌」と俗称するが、ネコのみが特に熱いものを嫌うというわけではない。野生動物は全般的に加熱調理した食物を食べることがほとんど無い[9]ので、熱いものに慣れていないのである。

家の中や自分の縄張りなどでリラックスしているネコは、しばしば舌をしまい忘れることがある。舌を指で触れるとネコはしまい忘れていることに気づくが、たいていの場合はからからに乾いているので、思うようにしまうことができない。そのような場合には水を与えてやるとよい。

ネコ科の動物に共通する特徴であるが、味蕾が他の哺乳類とは異なっており、甘味を認識することができない。その一方でアミノ酸に対する反応は強く、特に苦味を認識する味蕾は多くある。これはアミノ酸が腐敗したときの苦味を強く感じることによって、腐肉を食べることを避ける役割を担っていると考えられている。ネコの食物に対する嗜好は、これらの味蕾の構成の違いが要因の一つと考えられている。

ひげ(洞毛)
襟首は痛みが伝わりにくくなっている。

[編集] ひげ

哺乳類のひげ(ひげ)は、正確には「洞毛」と呼ぶ。ネコのひげは毛根部分に感覚神経血管が密に分布しており、非常に鋭敏で、先端に何かが少し触れても感じ取れる。口の周りだけでなく、眼の上、の横にもあり、それらの先端を結ぶと顔を一周する大きなになり、これで狭い通路を通り抜け得るか否かを判断できるので、獲物の追跡、敵からの逃走に重要な役割を果たす(ただし、一部に否定説あり)。顔以外では、前脚の関節付近の裏側にも生えている。長さは若いほど長く、歳をとったものほど短い。ひげは生え変わるが、無理矢理抜くと酷い場合はストレスで死んでしまうこともある。

[編集] 襟首

首(えり-くび)と呼ばれる頸(首)の後ろの皮膜は痛点が鈍化しており、親猫が子猫を運ぶときここをくわえる。この特徴は成猫になっても残るため、成猫でもヒトがここをつかんで持ち上げることができる。持ち上げなくとも襟頸を掴むだけでおとなしくなる傾向があるため、気性の荒い猫や野良猫を扱う際に有効である。

母猫が子猫の襟首をくわえて持ち運ぶことがあるが、これはくわえても子猫に悪影響のない場所を母猫は本能的に知っているからできることであり、人間はその場所を知らないため、むやみに襟首を掴んで持ち上げると猫の頸を絞めてしまうことになりかねない。また、筋肉に悪い影響を与えるという説もあるので、襟首だけ掴んで成猫を持ち上げることは避けるほうがよい。

[編集]

尾はおおむねその胴体ほどの長さであるが、ジャパニーズボブテイルなどのように極端に短いものや、マンクスのように尾が無い個体もある。尾の役割は、感情を表すほか、走行時や跳躍・着地の際に体のバランスを取る役割がある。イエネコについては尾が無くても行動にほとんど支障は無いと考えられている。

従来の日本産のネコは、世界に現存するほとんどの猫に比べ、ジャパニーズボブテイルのように尾は半分以下も無いことが普通であったが、戦後(太平洋戦争終了後)以来日本在来のネコに海外のネコの血統が混入し続けた結果、一部地域を除くほとんどの場所で尾の長い個体が大半を占めるようになっている。

脊髄と直結しているため、非常に痛覚が強い。切断されると四肢を切断されるよりも痛がるほどである。よって、尾を持って引っ張ったりすると温厚な個体でも抵抗することがある。手を噛まれると大怪我をすることがあるので注意が必要。

尾の付け根の部分には性感帯があるという噂があるが、今のところ不明である。

[編集] 尾による感情の表現

尾によって表す感情は以下のようなものである。

立てている
比較的機嫌の良いとき。歩くときは立てていることが多い。個体によっては立てながらくねくねと動かしている場合もある。
横に振っている
不快なとき。イヌから類推して「喜んでいる」とするのは誤解である。飼い主に呼ばれると数回振って応えることもある。また、狩りや遊びなどで興奮しているときも横に振ることがある。
後肢の間に巻き込んでいる
おびえているとき。通常、耳を後ろに伏せていることを伴う。
大きく膨らませている
威嚇しているとき、または、驚いたとき。威嚇しているときは全身の毛を逆立てることを伴う。
他のネコや、人間に巻きつける
相手に親愛の情を持っている。

[編集] 肛門嚢

不意打ちを食らうと、肛門嚢から臭いにおいを発することがある。

[編集] 鳴き声

日本ではネコの鳴き声は「ニャー」、「ミャー」などの擬音語を用いるのが一般的。アメリカでは「meow」、イギリスでは「miaow」、ドイツでは「miau」、フランスでは「miaou」、中国では「miāo(wikt:en:喵)」と表す。

「ニャー」とは明らかに異なるものとしては、以下のようなものがある。

  • 警戒時の唸り声。「ハーッ」「シャーッ」など
  • 発情期における、赤ちゃんのような独特の声。「オアーン」「オギャー」「アーウ」など
  • 鳥が目の前に来たとき、CDや鏡等の反射光に反応したとき、思うように獲物を捕れないなどストレスを感じたときに発する、「クラッキング」と呼ばれる声。まだ十分に解明されていない。「クケケケケ」「カカカカカ」など

カモメの鳴き声はしばしばネコのそれに喩えられ、英語では「mew」というネコの鳴き声を表す単語は「カモメ」という意味も持つ。日本語でもカモメの一種にウミネコ(海猫)と名付けられた鳥がいる。

 ネコの鳴き声ヘルプファイル

[編集] 喉鳴らし

ネコやネコ科の動物は喉をゴロゴロと鳴らすことで知られており、一般的には飼い主や懐いた人に愛撫されるなどリラックスしている時が知られるが、体調が悪い時や出産時(陣痛中)、死ぬ直前にも喉を鳴らすと言う。これらの行動の意味は未だにはっきり解明されていないが、普段から低周波の音を発生させることで骨格を丈夫にする、苦しいときに痛みを緩和し呼吸を楽にしている、などの説が存在する[10]

[編集] 繁殖

種類および地域により差はあるが、だいたい春季ならびに夏季前期において発情、交尾を行うようである。 よく知られているように、オスはその際、「さかり声」と呼ばれるけたたましい鳴き声を挙げる(挙げない種類もいる)。 この習性は、その声を騒音と感じて迷惑に思う人間も多く、飼い主との間で問題に発展することもある。

[編集] 発情

[編集] メスの発情

個体差もあるが、おおむね生後6ヶ月から12ヶ月で性的に成熟し、その後、定期的に発情する。発情の周期についてはいくつかの説がある。

  • 周期はおおむね3ヶ月。完全室内飼育の場合など、周辺の環境によっては周期が早まることがある。
  • 冬から春の始まりごろと、春の終わりごろから夏の終わりごろの2シーズン。一つのシーズンの間に数回発情する。
  • 1 - 2月ごろ、5 - 6月ごろ、8 - 9月ごろに発情する。

発情期間は3 - 6日程度であるが、その間に交尾が行われない場合、10日ほどになることもある。

発情すると、地面に体をこすり付けるなど行動に変化が現れ、ときには意地でも外に出ようと暴れることもある。

[編集] オスの発情

メスよりやや2、3ヶ月程度遅れて成熟するが、これも個体差が大きい。定期的な発情期はなく、メスの発情に誘発されて発情する。

発情すると、スプレー(尿マーキング)と呼ばれる特徴的な行動を行うようになる。オス同士の喧嘩も多くなる。また、まれにメスでもスプレーをすることがある。

[編集] 交尾

交尾は両性の合意によって行われ、メスがオスを気に入らなければ、オスが無理に交尾をすることはないとされている。通常、交尾はオスがメスの背中に乗り、オスがメスの首筋を噛んでメスが逃げないようにして行う。ネコの交尾は相手が1匹に限定されるものではなく、機会があればオス・メスともに複数の異性と行う。よって、同時に生まれた子猫の父猫が別のネコであることはよくあることである。ネコは交尾の刺激によって排卵が行われるため、妊娠率は比較的高い。オスの陰茎には棘(とげ)状の突起があることが知られているが、これは刺激によって排卵を誘発するため、と考えられている。去勢したオスでは、この突起が消滅する。

[編集] 妊娠・出産

授乳中のネコ

メスネコは、おおむね2 - 6匹程度の子を妊娠する。妊娠期間は60日程度である。

出産は一般的に軽く、人や獣医師が手を貸す必要のないケースがほとんどである。子猫は出産直後は羊水で濡れているが、母猫が舐めて乾かし、数時間でふわっとした毛並みになる。母猫は出産当日は授乳に専念し、食事はあまり摂らないようである。代わりに後産で出た胎盤を栄養分として食べることが多い。

メスネコは年3 - 4回の出産が可能であり、年2回の出産は珍しくない。授乳期間中であっても交尾・妊娠するので、1回目の出産後、これ以上出産させたくない場合は注意が必要である。

[編集] 習性

この節は執筆の途中です この節は執筆中です。加筆、訂正して下さる協力者を求めています

[編集] 睡眠

家ネコの睡眠時間は人間に比べて長い。それは、ネコの語源が「寝子」であるという説があることからも分かる。一般的に、ネコは一日の大半を寝て過ごすと言われている。ネコの飼い方の本(獣医師による解説)などでは、一般に「14時間程度」とか「16時間程度」と解説されていることが多い。また「長いネコでは20時間程度眠る」といった解説も多い[11]。外からの訪問者が少ない住宅で、家族や近隣にかわいがられ、餌が十分に与えられている安心できる環境だと、ネコは長いものでは1日あたり20時間ほどひたすら眠り続ける。ペットとして飼われているネコは餌を探しにいく必要がなく、安全な寝場所も確保されており、特に何をする必要もないため安心して眠り続けるのである。寝ている時に時折、痙攣したり鳴き声を漏らしたりするが、夢を見ているせいである。主に子猫の頃の夢(母猫の乳首を吸っている場面)や、狩りをしているときの夢を見ると言われている。

子猫(家ネコの子猫)は、平均的に睡眠時間が長く、ネコの飼い方の本などでは「20時間程度眠る」と解説されていることが多い。ほとんど眠っていて、たまに眼を醒ますと母猫のお乳を吸い、その後ちょっと遊んでいたかと思うと、またすぐ眠ってしまう、というような状態である。また、子猫ではほとんどがレム睡眠であると言われている。そのため、呼びかけたり触れたりすると目を醒ます場合がある。

ただし、野良猫に限れば、睡眠時間は家ネコよりかなり短めになる。眠っている時も眠りが浅い傾向がある。ネコに限らず動物全般に、外敵がいつやってくるか分からない環境では安心して眠っているわけにはいかず、眠りが短く、浅くなる[12]。野良猫が、全ての脚を体の内側に入れうずくまって目を閉じている状態は「香箱(こう-ばこ)座り」または「箱座り」と呼ばれることがあり、周りを半ば警戒したまま、いつでも動ける体勢を保ちつつ浅い眠りをとっている状態と考えられる。なお、「香箱座り」で座ることを「香箱を組む」「香箱を作る」と表現することもある。

[編集] 爪とぎ

放し飼いの地域猫野良猫の場合は太い木の幹で、飼い猫の場合は壁や柱を使って爪研ぎをする。ネコに限らず、狩りをする動物の多くに見られる行動である。

古い爪を研いで鋭くし、いつでも狩りに使えるようにしておく手入れの意味、縄張りを示す意味があると言われている。転位行動として行うこともある。

習性としての爪研ぎを防止する目的で爪を切ってしまう場合があるが、ネコの爪の根元部分は肉・神経・血管が通っており、先端部分だけを丁寧に切らなければならない。大変割れやすく、出血・苦痛を伴う場合がある。

なお、ネコの爪研ぎの習性は爪が無いネコでも同じ仕草をすることがあり、何かを始める際の合図とも言われている。 ちなみに人に爪を立てる事があるが動くとさらに食い込む為動かず離すのを待つほうが良い。

[編集] 体を舐める

いわゆる毛繕い。全身をくまなく舐める。舌の届かない部位(顔・首・頭など)については前足に唾液を含ませて拭くように動かす。また、足を舐める際に爪を噛んで引っ張ったりもする。

[編集] 水を舐める

乾燥した地域を進化上の故郷とすると思われるネコ科は元来、飲水量が少ない動物で、体内で水を有効に使うために尿の濃縮率が高く、濃い尿を出す。そのため、腎臓への負荷が高く、ネコの病気の7- 8割は腎臓の病気である。特に塩分の摂りすぎには注意が必要である。

[編集] 顔を物にこすりつける

俗に「すりすり」と呼ばれる。フェロモンを物体に付着させ、縄張りを示すためと言われる。飼い主など、人に対して行われる場合は、親愛の情を示す意味や、餌などをねだる意味があると言われる。

[編集] 獲物を持ち帰る

ネズミスズメなどの獲物を捕まえた際、その場で食べずに安全な場所まで運んでから食べる習性がある。母猫の場合は子猫に獲物を与える事で何が食べられるのかを教える。特に生きたまま与える事で狩りの訓練をさせるという側面がある。飼い猫や地域猫の場合も、よく懐いた人の元に獲物を持ち帰ったところを発見される事がある。

飼い主の所まで持ってくる理由は定かではなく推測の域を出ない。飼い主が狩りを下手だと思って餌を分け与えているとも考えれるし、よく懐いた人間を家族と見なしているゆえの行動かもしれない。前述のようにネコは家族に餌を運ぶ習性がある。そうであるとするなら、一種の家族愛と言い換えられもしよう。ヒトやイヌといった群れを作る動物の考え方をそのまま投影して飼い主に褒められたいからと言われることもあるが、ネコは単独性の生き物である。

実際に持ってこられた場合、たいていの人は驚くと思うが、ネコは善かれと思ってやっている事なので、無碍に扱うとショックを受けてストレスを溜めてしまう事がある。よって、冷静に対応し、獲物の処分はネコが見ていないところでそっと済ませるのがよいとされる。

[編集] 草を食べる

肉食動物であるネコであるが、燕麦など背の低い草を食べる習性がある。

理由は未だ明らかでないが、毛繕いのときにどうしても呑み込んでしまい蓄積した体毛を、草の繊維に引っかけて、まとめて排泄するためとする説や、植物性のビタミンや葉酸を草から直接摂取しているなどの説が有力である。どのネコにも共通しているのが、イネ科植物を好んで食べるということである。

ペットショップでは飼い猫用に「猫草」として種や栽培キットなどが売られている。

[編集] 蛇を食べる

野生に近いネコはヘビを捕食する能力がある。基本的にヘビより敏捷であるため、咬まれるケースはほとんど無く、また、ヘビの毒に対する耐性も強い。日本猫の場合、成猫がマムシの毒で死ぬ事は無く、獲物を家屋に生きたまま持ち帰るケースも見受けられる。

ただし、敏捷性や毒への耐性はネコによって個体差があるため、注意が必要である。

[編集] 見つめる

危険を感じると一目散に逃げ出すが、そのまま逃げ切らずに安全な間合いになったら一度立ち止まり、振り向いて様子をじっと観察する習性がある。相手と目が合うと、自分から目線を外そうとせずにらみ合いになる。ネコ同士でにらみ合いになると喧嘩の原因になることがあり、外猫を飼っている場合は家で人間と目を合わせる癖がつくと他の外猫と目を合わせるようになり喧嘩の原因を作ることにもなるので、なるべく癖をつけさせないのがよいともされている。

[編集] 相手に向かって両目を閉じる

親愛の情を持っている相手と目が合うと、両目を閉じることがある。ときに、そっぽを向く行為を伴う。ネコの習性をよく知らない人間から見ると無視されたように感じる仕草であるが、実際には両目でウインクしているようなものと思えば分かりやすい。猫に慣れた人は見知らぬ猫に近づくとき、この性質を利用して、自らの目を閉じて、猫を警戒させないようにする(この場合、視線は猫の目の高さまで落とすこと)。

[編集] 愛情があるのに噛む

本当に噛み切るつもりではなく、甘えて飼い主や他のネコを興奮して噛む事がある。これは手のような手ごろな接触手段を持たない動物によく見られる習性である。また、親猫は子猫の頸(くび)の付け根をくわえて携行し、ネコはその場所を噛まれるとおとなしくなる(この事を利用して交尾の際にオスがメスを噛んだりする)。ネコの習性をよく知らない人間から見るとなぜ噛み付かれたのか判らず、戸惑う行動であるが、ただ甘えているにすぎず、噛んでも相手が反撃しないのを確認して自分に対する愛情を確かめているだけである。「痛い」と口に出して伝えたり、大げさに痛がる仕草をして見せれば、徐々に力を抜いた甘噛みを覚えていく。痛いからといって叩くなどして叱責すると、自分に対する愛情を疑うようになり、すねてしまう場合もある。

[編集] 母親の乳房に見立てて吸い付く

幼いうちに母猫と引き離された場合など、毛布や飼い主の唇を母猫の乳房に見立てて吸い付くことがある。両前足を周囲を揉むように動かす。うっとりとした表情をし、放っておくと30分くらい続ける場合もある。その動きから、日本語では「フミフミ」「チュパチュパ」等、英語では「ウールサッキング」などとも呼ばれる。

[編集] トイレの所作

ネコの最も象徴的な行動で、「ねこばば」の語源にもなっている。用を足す前に砂を掘ってくぼみを作り、用を足した後、砂をかける。初めのうちどこがトイレか認識できない場合があるが、そういったときはネコの様子を見て催しているなと思ったら、すばやくトイレに移してやり、用が済んだら大げさに褒めてやることが大事である。(しつけ)をする事でネコも人間用のトイレを使用させる事ができる。しかし、年をとるとトイレにのぼることがつらくなるので、人間用のトイレでなく、ネコ用のトイレを使用させた方が良い。

[編集] 臭い物に砂をかける仕草をする

用を足す場合でなくても、臭い物を見つけたとき、実際に砂が無くても砂をかける仕草をする。

[編集] 喧嘩

長い口喧嘩を経てから、格闘になる。口喧嘩は、一方が低音で唸ると他方は高音で返すなどの特徴が窺える。通常は1対1の喧嘩であるため、人間が喧嘩の声に似せて横槍を入れると、気味悪がって喧嘩を中止することもある。喧嘩・格闘は、跳びかかりやすく有利な高所を制した側が優勢で、そのため、戦略的ポジションを探りながらの口喧嘩が長時間続く。格闘になるとほんの数秒で決着する。


[編集] ネコと自然生態系

現代においてほぼ世界中に存在するイエネコであるが、これは人為的に広まったのであり、それぞれの地域の生態系にとっては外来種である。

イエネコは優秀なハンターとしての能力と本能を持っている。非常に狩りを好む気性は欲求と言っても差支えないぐらいである。古来、人に飼われてきた理由もネズミ等の駆除能力によるところが大きかった。野生化したネコはもちろん、十分に餌を与えられている飼い猫も野外の鳥類や小型哺乳類、爬虫類、両生類などの小動物を捕殺してしまう。その事が生態系に深刻な影響を与えてしまうこともある。

日本での代表的な例としては、沖縄県において、野生化したイエネコが地域固有種のヤンバルクイナを捕食したり、イリオモテヤマネコとの交雑や猫エイズの感染によって、イリオモテヤマネコの生息数減少を引き起こしているケース、鹿児島県奄美大島においてアマミノクロウサギが捕食されるケースがある。

人間に飼われ十分に餌を与えられているイエネコでも狩りを行うことはよく知られており、飼い主が居住する地域によってはやはり、生態系に影響を及ぼすケースがある。例を挙げれば、ニュージーランドのスティーブンズ島における固有種スティーブンイワサザイは、灯台守が飼育していた1匹のイエネコによって絶滅に追い込まれたと見られている。

イエネコは国際自然保護連合がリストアップした「外来侵入種ワースト100」にもランクインしており、固有種の多い地域では戸外に出さないなど飼育に注意が必要である。ましてや、脱走や飼育放棄など野生化につながるような事態は絶対に避けるべきである。

[編集] 猫と人間の歴史

[編集] 古代

古代エジプトのネコの像(フランスはパリルーブル美術館所蔵)

新石器時代、中近東地域から農耕が広まり始め、穀物が保管されるようになるにつれて、ネズミが爆発的に増加したために、穀物庫の番人役としてネコが村の中で重宝されるようになったといわれる。

現在世界最古のものとしては、キプロス島のシロウロカンボス遺跡(en:Shillourokambos)で約9500年前の飼い猫の化石が発見されており、新石器時代もしくは石器時代後期から人類がすでにネコをペットとして手なずけていたことを示唆している。このネコの骨は人骨が埋葬されていた場所からおよそ40cm離れた場所に埋葬されていたが、遺体の保存状況、位置関係などから、高位の人物が飼い猫を一緒に埋葬したものと考えられる。発掘されたネコが年齢およそ8ヶ月であることから、その人物が死亡した際、一緒に殺されて埋められたものであるとも推測できる。さらには、キプロスの同遺跡においてネコが何らかの宗教的重要性を持つ存在であった可能性も示唆されている。遺骸からは屠殺された形跡が見られないため、埋められていたネコはおそらく人間と同様に扱われていたと考えられるという。ただし、同時代の同地域の遺跡からは、人間がネコ科の動物を食用にしていた跡も発見されているという。

古代エジプトでは、ネコがライオンの代わりとして崇拝されていたし、バステト女神として神格化もされていた。そのため敵側がネコの顔を自らの盾に描いてエジプト兵を追い払ったという。ジェームズ・フレイザーの『金枝篇』によると、中世ヨーロッパでもネコは麦穂の精霊と同一視され、中国でも、獣偏に苗(正字では貉偏に苗「貓」)と書くように、稲穂の精霊とされていたという。ただし、の時代には「猫」の字はまだ無く、ネコには「狸」の字が当てられている。

[編集] 日本

日本においてネコが文献に登場するのは、『日本霊異記』に、